顎下のもたつきが気になる方へ。なぜ“バイニードルの糸リフト”が選ばれているのか

顎下たるみとバイニードル糸リフトの基本知識
「顎下だけがもたついて見える」「フェイスラインと首の境目がぼやけてきた」そんな悩みに対して注目されているのが、バイニードル(両端針)糸リフトです。
顎下のもたつきは、脂肪だけでなく、皮膚のゆるみや組織の下垂、骨格など複数の要因が関係しています。そのため、単に脂肪を減らすだけでは十分な改善が得られないこともあります。
バイニードル糸リフトは、両端に針が付いた特殊な糸を用いて、顎下のたるみを面で支えながら立体的に引き上げる治療です。特に、脂肪量よりも皮膚や皮下組織のゆるみが目立つ方にとって、有力な選択肢となります。
今回は、ダバイニードルと呼ばれる両端針の糸リフトによる顎下リフトについて、わかりやすく、かつ専門的な視点も交えながら解説していきます。
顎下たるみの原因
顎下のもたつきは、単に「太ったから」だけで起こるわけではありません。
もちろん皮下脂肪が多い方では、顎下に脂肪がたまりやすく、二重あごのように見えることがあります。しかし、体重が大きく変わっていなくても、年齢とともに顎下がゆるんでくる方は少なくありません。
その理由の一つが、皮膚と皮下組織の支持力低下です。
若い頃は、皮膚のハリ、皮下組織の弾力、靭帯や筋膜の支えによって、フェイスラインから顎下にかけてのラインが比較的シャープに保たれています。しかし加齢によりコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚の弾力が低下すると、顎下の皮膚がゆるみやすくなります。
また、頬や口横の組織が下がることで、フェイスラインの下方にボリュームが集まり、顎下の輪郭もぼやけて見えます。いわゆるジョールファット、マリオネットライン、口横のもたつきがある方は、顎下の印象も重く見えやすくなります。
さらに、顎が小さい方、顎先が後退している方、首が短く見えやすい骨格の方では、少しの皮膚のゆるみや脂肪でも顎下が目立ちやすくなります。
つまり顎下の治療では、「脂肪を減らせばよい」のか、「皮膚を引き締めるべき」なのか、「下がった組織を引き上げるべき」なのかを見極めることが大切です。
顎下たるみに対する糸リフトの仕組み
糸リフトは、医療用の吸収糸を皮下に挿入し、糸についたコグやバーブと呼ばれる突起で組織を引っかけ、たるみを物理的に引き上げる治療です。
顎下リフトで期待される作用は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、挿入直後から得られる物理的なリフトアップです。
糸のコグが皮下組織にかかることで、下がった皮膚や脂肪組織を一定方向へ牽引し、フェイスラインや顎下のもたつきをすっきり見せます。
2つ目は、糸の周囲に起こる組織反応です。
吸収糸は体内で少しずつ分解されていきますが、その過程で糸の周囲にコラーゲン線維が形成され、皮膚や皮下組織の引き締まりが期待されます。これは「肌のハリ感が出る」「少しずつ引き締まる」と表現されることもあります。
ただし、糸リフトは脂肪そのものを大きく減らす治療ではありません。そのため、顎下の脂肪量が多い方では、糸リフト単独よりも脂肪吸引や脂肪溶解、高周波治療などを組み合わせた方が適している場合があります。
一方で、脂肪量はそこまで多くないけれど、皮膚や皮下組織のゆるみで顎下がもたついている方には、糸リフトがよい選択肢になることがあります。
バイニードル糸リフトの特徴
バイニードルとは何か
ダブルアーム、バイニードルとは、簡単にいうと「1本の糸の両端に針がついているタイプ」の糸です。

一般的な糸リフトでは、片側から糸を挿入し、一定方向へ引き上げる設計のものが多くあります。これに対して、両端針タイプの糸は、1本の糸を中心から左右、または上下に展開するように挿入できるため、より立体的に組織を支えることができます。
顎下は、頬のように一方向へ引き上げるだけでは改善が難しい部位です。なぜなら、顎下のたるみは中央に集まりやすく、左右差も出やすく、さらに首方向へも広がりやすいからです。
両端針の糸を使用すると、顎下の中央付近を起点にして左右へ糸を通したり、フェイスラインに沿って糸を配置したりすることで、たるんだ組織を面で支える設計がしやすくなります。
イメージとしては、1本のロープで一点だけを引っ張るのではなく、ハンモックのように広い範囲を支えるような考え方です。
顎下のもたつきは、ピンポイントで引き上げるだけでは不自然なひきつれや凹みが出ることがあります。そのため、糸の本数、挿入層、方向、固定点の設計がとても重要です。
通常の糸リフトとの違い
通常の糸リフトと両端針の顎下リフトの違いは、「どこを、どの方向に、どのように支えるか」にあります。
頬のたるみやほうれい線、マリオネットラインに対する糸リフトでは、主に顔の外側方向、こめかみ方向、耳前方向へ引き上げる設計が多くなります。
一方、顎下は下顔面の中央から首にかけて広がる部位です。単純に外側へ引っ張るだけでは、中央のもたつきが残ったり、不自然な引きつれが出たりすることがあります。
両端針の糸は、顎下の中央、フェイスライン、耳下、首方向など、複数のベクトルを考えながら設計しやすいのが特徴です。
ベクトルとは、簡単にいうと「引き上げる方向」のことです。
糸リフトは、どの糸を使うかだけでなく、どの方向に引き上げるかが結果を大きく左右します。顎下の場合、左右のバランス、首との境目、顎先のライン、口横のたるみとの連続性を見ながらデザインする必要があります。
そのため、両端針だから必ず効果が高いというよりも、両端針の特徴を理解し、顎下に適したデザインで挿入できるかが重要です。
バイニードル糸リフトが向いている人・向いていない人
向いている人
両端針の糸リフトによる顎下リフトが向いているのは、主に以下のような方です。
まず、顎下の皮膚や皮下組織に軽度から中等度のゆるみがある方です。皮膚が少したるんできた、横顔のラインがぼやけてきた、フェイスラインと首の境目が曖昧になってきたという方は、糸による支持が適していることがあります。
次に、脂肪量が多すぎない方です。
糸リフトは脂肪を吸い取る治療ではないため、顎下の脂肪が厚い方では、糸だけで大きな変化を出すのは難しいことがあります。この場合は、脂肪吸引や脂肪溶解注射、脂肪を熱で引き締める治療などを検討することがあります。
また、切開リフトまでは考えていないけれど、HIFUや高周波だけでは物足りない方にも向いています。HIFUや高周波は引き締め治療として優れていますが、組織を物理的に移動させる力は糸リフトほど強くありません。顎下の皮膚がゆるみ、実際に位置が下がっている場合には、糸によるリフトアップが役立つことがあります。
さらに、ダウンタイムをなるべく短くしたい方にも選ばれやすい治療です。切開を伴うフェイスリフトやネックリフトと比べると、糸リフトは傷が小さく、施術時間も比較的短い傾向があります。
ただし、「ダウンタイムがない治療」ではありません。腫れ、内出血、ひきつれ、口を開けにくい感じ、違和感、圧痛などが出ることがあります。
向いていない人・糸だけでは難しい人
一方で、両端針の顎下リフトがすべての方に適しているわけではありません。
まず、顎下の脂肪が多い方です。
皮下脂肪が厚い場合、糸で持ち上げようとしても脂肪の重さに負けてしまい、変化が出にくかったり、戻りが早くなったりすることがあります。この場合は、先に脂肪を減らす治療を検討した方がよいことがあります。
次に、皮膚の余りが強い方です。
皮膚が大きく余っている場合、糸で引き上げても皮膚そのものが余るため、シワやたるみが残りやすくなります。重度のたるみでは、糸リフトよりも切開を伴うフェイスリフトやネックリフトの方が適している場合があります。
また、顎が小さい、顎先が後退しているなど、骨格的に顎下が目立ちやすい方では、糸リフトだけでは理想のEラインや横顔に近づけないことがあります。この場合は、顎ヒアルロン酸やプロテーゼ、脂肪吸引など、別の治療との組み合わせを考えることもあります。
さらに、極端に皮膚が薄い方、過去に糸リフトで強いひきつれや感染を起こした方、ケロイド体質の方、治療部位に炎症や感染がある方などは、慎重な判断が必要です。
顎下リフトで期待できる効果
両端針の糸リフトによる顎下リフトで期待できる変化は、主に以下のようなものです。
◇横顔の顎下ラインがすっきりする。
◇フェイスラインと首の境目が出やすくなる。
◇二重あごのように見えるもたつきが軽減する。
◇下顔面の重さが軽く見える。
◇正面から見たときの輪郭が引き締まって見える。
◇顎下から首にかけてのたるみ感が軽くなる。
※ただし、変化の出方には個人差があります。
脂肪が多い方では、糸で引き上げてもボリュームが残ることがあります。皮膚の余りが強い方では、たるみの一部は改善しても、完全にシャープなラインにするのは難しいことがあります。
反対に、脂肪量が少なく、皮膚や皮下組織のゆるみが主な原因の方では、顎下のラインが比較的わかりやすく変化することがあります。
大切なのは、「自分の顎下のもたつきが、脂肪なのか、たるみなのか、骨格なのか」を診察で見極めることです。
持続期間とメンテナンス
糸リフトの持続期間は、糸の素材、太さ、コグの形状、本数、挿入層、たるみの程度、生活習慣、体質などによって変わります。
一般的に、吸収糸は半年から1年程度かけて体内で分解されていきます。糸そのものが吸収された後も、糸の周囲に形成された線維化やコラーゲンによって、一定期間の引き締まり感が続くことがあります。
ただし、糸リフトは永久的な治療ではありません。
時間の経過とともに、加齢による皮膚や皮下組織の変化は進みます。そのため、よい状態を保つには、定期的なメンテナンスや、HIFU、高周波、肌育治療などとの組み合わせが有効な場合があります。
顎下のたるみが軽度のうちに治療を始めると、将来的なたるみ予防としても考えやすくなります。
ダウンタイムと注意点
顎下の糸リフト後には、腫れ、内出血、痛み、違和感、つっぱり感、ひきつれ、左右差、一時的な凹みなどが出ることがあります。
特に両端針の糸は、顎下からフェイスラインにかけて立体的に糸を通すため、施術直後は引っ張られている感じや、首を動かしたときの違和感を感じることがあります。
多くの場合、強い腫れや内出血は時間とともに落ち着いていきますが、完成までは1ヵ月程度かかることがあります。糸が組織になじむまでは、表情を大きく動かしたときに違和感が出ることもあります。
術後は、強いマッサージ、エステ、長時間の入浴、激しい運動、飲酒、うつ伏せ寝、大きく口を開ける動作などは一定期間避けることが推奨されます。
また、顎下やフェイスラインを強く押したり、無理に揉んだりすると、糸の位置がずれたり、ひきつれが強くなったりする可能性があります。
今回はバイニードルの糸リフトによるあご下のたるみ改善について説明させて頂きました。
当院ではあご下の脂肪量・皮膚のたるみ・骨格・フェイスライン全体のバランスを診察した上で、お一人おひとりに合った治療をご提案しております。
◇二重顎が気になる
◇横顔に自信が持てない
◇フェイスラインがぼやけてきた
◇脂肪吸引までは考えていないけど、あご下をスッキリさせたい
このようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。






